■ 住宅建て替えとリフォームの違い
建て替えとは、現在の住宅を取り壊して完全に新築することをいいます。敷地内の建物を全て取り壊し、新しい住宅をゼロから建設する方法です。このため、建て替えを行う場合は一旦現在の住宅から引っ越し、建替期間中は仮の住まいが必要となります。ただし建て替えを行うことで、住宅の構造や設備、間取りなどを最新の基準に完全に合わせることができます。
一方、リフォームとは現在の住宅の基礎や外壁、柱などの躯体はそのまま活用し、必要な部分のみを改修・更新することをいいます。
リフォームには大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目は内装や設備の更新を中心としたリフォームです。床材や壁紙の張替え、トイレや台所、浴室などの水周り設備の取り換えを行うリフォームがこれにあたります。現在の間取りや住宅の構造は変更せず、主にインテリアや設備の更新を行うことで、住みやすさを改善するのが特徴です。
2つ目は躯体工事を伴う大規模リフォームです。この場合は壁や床の解体・建替えを行い、間取りの変更や増築を行う大掛かりなリフォームとなります。例えば1階のリビングとキッチンをつなげるなど間取りをガラリと変えたり、2階や3階部分を増築することも可能です。ただし、この場合は現在の住宅の構造や条件による制限を受けるため、理想の間取りや設計が実現できないこともあります。
このように、建て替えは完全に新築するのに対し、リフォームは現状の建物を活用する点が大きく異なります。リフォームのメリットは工期が短く済み、仮住まいも不要なため費用を抑えられることです。建て替えとリフォームの選択は、期間の制約、住宅の現状、理想の住環境などを考慮して行う必要があります。
■ 建て替えとリフォームのメリット・デメリットとは？
<建て替えのメリット>
- 最新の住宅機能を全て取り入れられる
- 設計からやり直せるので理想のプランが実現できる
- 耐震性能や省エネ性能を最新基準に合わせられる
<建て替えのデメリット>
- 解体・建設費用がかかる
- 建替え期間中は仮住まいが必要
<リフォームのメリット>
- 建替えに比べて費用が抑えられる
- 仮住まい不要で済む
<リフォームのデメリット>
- 現状の構造や条件をある程度受け入れざるを得ない
- 理想の住環境を実現できないこともある
■ 住まいのリニューアルは状況に合わせて選択を
状況によって建て替えとリフォームの選択は変わります。リフォームで不満が解消できる場合は、できるだけリフォームを優先するのが無難です。
リフォームには大掛かりなものから小規模なものまで種類があります。目的に合わせて選択することが大切です。
一方、建物の劣化が進んでいたり、理想の住環境を求める場合は建て替えも選択肢に入れるべきでしょう。その際、省エネ性と資産価値の両立も可能です。
建て替えかリフォームかは専門家に相談し、自分のニーズと建物の状態を考慮して選択するのが良いと思います。
