こんにちは、川上技建です🌳
北海道の苫小牧市で住宅の新築工事、リノベーション工事、リフォーム工事、アパートなどの設計・施工を手がけています。
注文住宅を検討する際、家のキッチンをIHにするかガスコンロにするか悩んでいませんか?どちらも魅力があり、火力や使いやすさといったポイントで選択が変わります。
そこで今回は、創業30年以上の実績を誇る川上技建が、IHとガスコンロそれぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、どちらがお得か、どんな家庭に向いているのかをわかりやすく解説します。
快適で満足のいくキッチン作りの参考にしてください。
▼目次
注文住宅で選ぶならどっち?IHとガスコンロの違い
ここでは、IHとガスコンロの特徴を、
といった観点から詳しく見ていきましょう。
IHとガスコンロの特徴
画像出典:Panasonic「IHとは〜IHのしくみと特長をご紹介〜」
IHは、電磁誘導の原理で鍋自体を発熱させる調理機器です。火を使わないため、火災や火傷のリスクが低く、小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭でも安心して使用できます。また、熱効率が高く、お湯を沸かすスピードも速いのが特徴です。天面がフラットで掃除がしやすい点も、忙しい方にとっては大きなメリットでしょう。
ただし、IHは、製品によっては全てのヒーターとグリルを同時にフルパワーで使用できません。また、使用できる鍋の種類に制限があるため、専用の鍋を購入する必要があることも覚えておきましょう。
一方、ガスコンロは、火力の強さや、火加減を目で確認しながら細かく調整できる点が最大の魅力です。中華料理など、強い火力が必要な調理にも最適です。また、全てのコンロを同時にフルパワーで使用できるため、複数の料理を効率的に調理できます。土鍋やアルミ製鍋など、さまざまな種類の鍋を使用できる点もメリットです。
ただし、火を扱うため、IHと比較して火災や火傷のリスクは高くなります。また、五徳やバーナー周りの掃除に手間がかかる点も考慮する必要があります。
火力の違い
IHとガスコンロの火力を比較するうえで重要なのは「熱効率」と「使い勝手」です。
<「火力」の強さだけなら、実はIHも負けていない!>
画像出典:Panasonic「IHとは〜IHのしくみと特長をご紹介〜」
「ガスコンロの方が火力が強い」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、近年のIHは高出力化が進んでおり、ハイパワーなガスコンロに匹敵する火力を持つ製品も登場しています。つまり、「火力」の強さだけを比較すると、IHもガスコンロも遜色ないレベルと言えます。
ここで注目したいのが「熱効率」です。熱効率とは、発生した熱がどれだけ無駄なく鍋に伝わるかを示す割合のことです。
IHの熱効率は約90%と非常に高く、鍋自体を発熱させるため、熱が外に逃げにくく、非常に効率的です。一方、ガスコンロの熱効率は約40〜55%で炎で鍋を加熱するため、周囲に熱が逃げやすく、IHに比べて熱効率は下がってしまいます。
つまり、同じエネルギーを使った場合、鍋に伝わる熱量はIHの方が多く、効率的に調理ができるということになります。
<使い勝手が良い方を選ぼう!>
熱効率ではIHが優勢に見えますが、実際の調理シーンではどうでしょうか?長年ガスコンロに慣れ親しんだ方にとっては、炎の大きさで火力を把握できるガスコンロの方が、火力調整がしやすく、使い勝手が良いと感じるかもしれません。
IHは、火力の調整をボタン操作で行うため、慣れるまでは火加減の感覚を掴みにくいと感じる方もいるようです。しかし、最近のIHは、火力を細かい段階で調整できたり、温度センサーで鍋の温度を一定に保ったりする機能を備えたものも多く、慣れてしまえば非常に快適に調理できます。
注文住宅を建てる際には、それぞれの特徴を理解し、実際にショールームなどで使い勝手を確認して、自分に合った方を選ぶことをおすすめします。
安全性の違い
IHは火を使わないため、調理中の衣服や周囲のものへの引火リスクを大幅に軽減できます。トッププレートは加熱中に熱を持ちますが、鍋が置かれていない状態では高温にならないため、誤って触れてしまっても火傷のリスクが低く抑えられています。また、燃焼を伴わないため、一酸化炭素中毒の心配もありません。さらに、IHには一定時間操作がない場合に自動で電源が切れる「切り忘れ防止機能」が搭載されており、より安全に配慮した設計になっています。
一方、ガスコンロも近年では安全性能が大幅に進化しています。特に注目すべきなのは「Siセンサー」です。「Siセンサー」とは、ガスコンロのバーナーに搭載されている温度感知センサーのことで、調理器具の温度を検知し、過熱や異常加熱を防ぐために火力を自動で調整したり、必要に応じて火を消したりする機能を指します。法制化により、Siセンサーは2008年10月以降家庭用のガスコンロに搭載が義務化されました。
加えて、ガスコンロには以下のような安全機能も標準装備されています。
- 消し忘れ消火機能:一定時間使用が続くと、自動的に火を消します
- 立ち消え安全装置:風や吹きこぼれで火が消えた際に、ガスの供給を遮断します
- チャイルドロック:お子様が誤って点火操作をしないようにするロック機能です
IHとガスコンロのどちらにも、安全性を高めるための先進的な機能が多く取り入れられています。
使用できる鍋の違い
IHで使用できる鍋と使用できない鍋を、表で分かりやすく整理しました。以下を参考に、調理器具を選んでみてください。
ガスコンロであれば使用できる鍋にほとんど制限はありませんが、IHだと使用可能な調理器具に限りがあります。
お手入れのしやすさ
お手入れのしやすさもIHとガスコンロの違いを比較するポイントです。
<IHの特徴>
IHはフラットなガラス天板で、汚れをサッと拭き取るだけで掃除が完了します。焦げ付きやすい隙間がなく、毎日のお手入れがとても簡単です。
<ガスコンロの特徴>
ガスコンロは取り外しできる部品が多く、細かい箇所まで掃除する必要があります。五徳などに焦げ付きが溜まりやすく、洗剤やスポンジを使って丁寧に洗う手間がかかります。掃除の手間が気になる方は、お手入れがしやすい加工が施されたモデルを選ぶのも良いでしょう。
画像出典:LIXIL「リシェル:加熱機器(ガスコンロ・IHヒーター)」
IHとガスコンロはどちらがお得?
IHとガスコンロは、それぞれ使用するエネルギーや維持費に違いがあります。
詳しく見ていきましょう。
光熱費の違い
IHとガスコンロの光熱費は、単純に比較することは難しく、お住まいの地域や契約している電力会社・ガス会社、そして使用状況によって大きく変わります。
IHの消費電力を電気代に換算すると、標準的な家族4名構成で、朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHを使用した場合の1ヶ月あたりの料金は約1,170円(税込)です(※)。
※JEMA・IH調理器技術委員会調べ。電気目安料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から31円(1kWhあたり、税込)で算出。〈2022年7月改定〉
一方、ガス代はプロパンガスよりも都市ガスの方が料金を低く抑えられます。注文住宅でガスコンロを検討する際は、都市ガスの契約がおすすめです。
住む地域によっては都市ガスを利用できないため、事前にリサーチしておくといいでしょう。
メンテナンス費用の違い
IHは、トッププレートがフラットで凹凸がないため、汚れがついても拭き取るだけで簡単に掃除できます。特別なメンテナンスが必要なく、日々の手入れの手間が少ない点が大きな魅力です。ただし、IHが故障した場合、修理費用が高額になる可能性があります。特に、トッププレートのガラス部分が割れた場合は、交換費用が30,000〜40,000円前後の修理費用がかかることがあるため注意が必要です。IHの修理費用は機種によって差が出るため、購入前に耐久性や保証内容を確認しておくことをおすすめします。
<ガスコンロのメリット・デメリット>
ガスコンロは部品の交換や修理がIHに比べて安価に済む傾向があります。また、軽度の故障であれば部品交換のみで対応できる場合も多いのが特徴です。
ただし、バーナーや五徳といった部品は劣化しやすく、定期的な交換が必要になる場合があります。また、吹きこぼれや油汚れが蓄積しやすいため、こまめな掃除が欠かせません。定期的なメンテナンスを怠ると燃焼効率が低下し、結果として光熱費が上がってしまいます。
日々の掃除の手間や長期的なメンテナンス費用を考えると、IHはメンテナンスが容易で、清潔に保ちやすいのが大きな利点です。しかし、故障時の修理費用については、ガスコンロの方が安価で対応しやすいケースが多いです。使用頻度やライフスタイル、長期的なコストを考慮して、自分に合った選択をしましょう。
ガスコンロからIHへの取り替えコストと注意点
IHへの取り替えには、本体費用だけでなく設置に伴う工事費用も発生します。IHの設置には、200Vの電源が必要となるため、電気工事が必要になる場合があります。分電盤の交換や専用回路の増設が必要なケースでは、追加費用が発生することがあります。
工事内容や本体のグレードによって金額は大きく異なるため、事前の見積もりをしっかり確認しましょう。
<IHに取り替える場合の注意点>
- 鍋の対応
IHでは使用できる鍋が限られるため、事前にIH対応かどうか確認が必要です。
- 停電時の影響
IHは電力を使用するため、停電時には使用できない点も覚えておきましょう。
ガスコンロからIHへの取り替えには、コストがかかるものの、光熱費の削減、安全性の向上、そして掃除の手間軽減といったメリットがあります。特に小さなお子様や高齢者がいる家庭では、安全性が大きな魅力となるでしょう。一方で、予算やライフスタイル、調理器具の変更や停電時のリスクも考慮し、総合的に判断することが大切です。
まとめ
IHがおすすめな人は、日頃のお手入れを楽にしたい方や小さなお子さんがいるご家庭です。
一方、ガスコンロは初期費用が抑えられ、都市ガスを使用すれば月々のランニングコストも抑えられるといったメリットがあります。また、災害が多い日本においては停電時にも使えるといった点も魅力のひとつです。
IHとガスコンロそれぞれにメリット・デメリットがあるため、それぞれを比較したうえでの選択がおすすめです。
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