こんにちは、川上技建です🌳
北海道の苫小牧市で住宅の新築工事、リノベーション工事、リフォーム工事、アパートなどの設計・施工を手がけています。
冬の寒さが厳しい北海道では、床暖房で家全体を暖める「セントラルヒーティング」を導入している住宅が多いです。現在、暖房器具としてエアコンやストーブを使用している方の中には、床暖房への切り替えを検討している人も多いと思います。
そこで今回は、創業30年以上の実績を誇る川上技建が、床暖房のしくみやメリットを詳しく解説するとともに、床暖房の電気代やデメリットについてもご説明します。
床暖房の特徴をよく把握した上で、改めてご自宅への導入を検討してください!
▼目次
床暖房とは?種類としくみ
床暖房とは、床下に熱源機器を設置し、床や部屋全体を暖める暖房器具(暖房方法)のことです。床暖房には電気式床暖房と温水式(ヒートポンプ式)床暖房の2種類があります。
ここでは、電気式と温水式、それぞれの床暖房の特徴やしくみをご紹介します。
電気式床暖房
電気式床暖房は、電気を使用する床暖房です。床下に熱源を設置し、通電させて床を暖めるしくみになっています。細かく分類すると「蓄熱式」「非蓄熱式」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
蓄熱式床暖房
床下に蓄熱材を施工し、夜間に電気で熱を蓄えておき、日中に放熱させるタイプの床暖房です。新築時に導入されるのが一般的で、初期費用が高い反面、ランニングコストが低いのが特徴となります。
非蓄熱式床暖房
床下に発熱線やカーボンなどの面状発熱体を施工し、使用する時だけ電気を通す床暖房です。一部の部屋にのみ導入することが可能で、リフォームで取り入れやすいのが特徴となります。
温水式床暖房
温水式床暖房は、ガス給湯器や灯油ボイラー、電力などで沸かした温水を使用する床暖房です。床下にパイプ内蔵のマットを設置し、温水を流すことで床を暖めるしくみになっています。
床暖房で室内が暖まるのはなぜ?しくみを解説
床暖房で室内が暖まるのには、「伝導」「ふく射」「対流」の3つの作用が関係しています。
伝導とは、熱が物体(床)を直接暖める作用のことです。ふく射とは、床で発生した熱が伝わり、壁や天井を暖めることを指します。対流とは、空気の移動によって熱が移動する現象のことです。空気は暖かい所から冷たい所に移動する性質を持つため、床暖房では自然に対流が生じます。
床暖房は、この3つの作用が相互に働いて部屋全体を暖めるしくみになっています。
床暖房の4つのメリット
床暖房は暖房効率に優れているだけでなく、さまざまなメリットを持つ暖房方法です。ここでは、床暖房の4つのメリットをご紹介します。
①部屋全体を暖められる
エアコンを使っていると、「上半身は暖かいのに足元が寒い」という状態になりがちです。それに対し床暖房は、足元をしっかり暖めつつ部屋全体も暖められるため、健康に良いとされる「頭寒足熱」の状態を保てます。頭部に熱がこもる心配がないので、頭がぼーっとすることがなく、集中力を維持できます。
②健康効果やアレルギー予防が期待できる
床暖房は、他の暖房器具にはない健康効果やアレルギー予防効果が期待できます。
例えば、エアコンと床暖房を比較した研究試験では、エアコンよりも床暖房の方がより血圧の低下が大きい結果が出ています。
また、床暖房は埃やハウスダストを巻き上げないため、アレルギーの人や子どもがいるご家庭でも安心して使えるメリットがあります。床の湿度を下げ高温を保つことで、アレルゲンとなるダニの繁殖が抑えられるのも1つの利点です。
床暖房の住宅の子どもとエアコンの住宅の子どもを比較すると、床暖房の住宅の子どもの方がアトピー性皮膚炎・中耳炎の確率が低いことも分かっています。
データ出典:床暖房と断熱改修の効用訴求~暮らし創造研究会 研究成果報告~ - ガスエネルギー新聞
③安全性が高くメンテナンスが楽
石油ストーブやガスストーブなどは火を使う暖房器具なので、赤ちゃんや小さなお子さん、ペットのいるご家庭では何かと心配が多いと思います。
床暖房は火を使わないため安全性が高く、火災や火傷などの危険がありません。さらに、電源コードがないため、お子さんやペットが引っ掛けてしまうことがなく、安心して使用できます。
掃除がしやすく、メンテナンスが長期間不要なのも大きなメリットです。
④部屋を広く使える
床暖房は熱源機器が床下にあり、他の暖房器具のように場所を取ることがありません。そのため、部屋を広く使うことができ、インテリアの邪魔にもなりません。
床暖房の3つのデメリット
メリットが多い床暖房にも、いくつかのデメリットがあります。床暖房の導入を検討している方は、それぞれの課題をクリアできるかどうかも確認しておきましょう。
①初期費用がかかる
どの暖房器具にもいえることですが、床暖房を設置するのには初期費用がかかります。設置面積によって費用が高くなるので、エアコンやストーブよりも高額になる傾向にあります。特に、温水式床暖房を導入する場合、熱源機器やパイプの設置が必要になるため、費用が高くなりやすいです。
1畳あたりの相場としては、電気式床暖房が8〜11万円、温水式床暖房が4〜9万円が目安となります。初期費用は温水式よりも電気式の方が高額で、例えば6畳の部屋の場合だと、電気式床暖房の導入に50万円弱〜かかります。
②部屋全体が暖まるのに時間がかかる
床暖房は立ち上がりに時間がかかるため、部屋全体が暖まるまでに30分〜1時間程度かかる場合があります。特に、吹き抜け天井の部屋やドア・仕切りのない部屋、断熱性の低い住宅などでは十分に暖房効果が得られない可能性があります。
対処法として、以下の項目を検討してください。
- 新築やリフォーム時に住宅の断熱性を高める
- ドアや仕切りを後付けする
- 別の暖房器具を併用する
床暖房は、気密性が高く、長時間過ごす部屋に向いています。
③定期的なメンテナンスが必要
メンテナンスが楽といえども、全く不要なわけではありません。
温水式床暖房は定期的にメンテナンスを行い、消耗品を交換する必要があります。一般的には、1年ごとに不凍液の補充を、3〜5年ごとに交換を行います。また、10年を目安に熱源機器の交換が必要です。万が一故障した場合には、大掛かりな修理が必要なケースもあります。
一方、電気式床暖房が故障した場合は、発熱線や発熱体の交換が必要です。
床暖房の寿命自体は非常に長く、建物の寿命と同等の30年程度が耐用年数と考えられています。定期的にメンテナンスを行えば、それだけ長く使用できるということです。
床暖房についてよくある質問
ここでは、床暖房についてよくある質問をまとめましたので、導入を検討する際の参考にしてください。
床暖房で低温やけどの心配はある??
床暖房は、使用方法によっては低温やけどの心配があります。
そもそも、低温やけどとは、44℃〜50℃程度のものに長時間皮膚が接触することで起こるものです。特に、赤ちゃんや体の不自由な人がいるご家庭では注意が必要です。
床暖房における低温やけどは、以下の対処法でリスクを低減できます。
- 床の上で直接寝るなど長時間同じ姿勢を取らない
- 椅子や座布団の上に座るようにする
- 床暖房の設定温度を下げる
なお、低温やけどは電気式床暖房で起こり得るもので、床温度が40℃以上にならない温水式床暖房ではほとんどリスクはありません。
床暖房のランニングコストはどれくらい?
電気式と温水式のそれぞれの床暖房のランニングコストを具体例で紹介します。
10畳の部屋に床暖房を導入したケースで、電気代を比較してみましょう。
以上のように、温水式床暖房よりも電気式床暖房の方がランニングコストは高めです。
そのため、ランニングコストを抑えたいのであれば、温水式床暖房を検討するのがおすすめです。
床暖房の上にカーペットを敷いていいの?
床暖房は基本的にそのままの状態で使用するのが良いです。なぜなら、カーペットを敷くことで、床とカーペットの間に熱がこもってしまい、床上まで熱が伝わらず、本来の暖房効果が得られない可能性があるからです。
その熱により、フローリングの変色・変形が発生することもあるため、あまりおすすめできません。
まとめ
床暖房には、部屋全体を暖められる・健康効果やアレルギー防止などさまざまなメリットがあります。その反面、初期費用やランニングコストがデメリットになることがあるため、目的や予算によって適切な床暖房を選ぶことが大切です。
「床暖房はどれを選べばいいの?」
「床暖房を後付けしたいんだけど可能ですか?」
そのような不安をお持ちの方はぜひ川上技建にお問い合わせください。創業30年以上の実績を持つ川上技建では、ご相談から設計・施工まで一貫対応でサポートいたします。お気軽にご相談ください。