建ぺい率と容積率とは何?意味や計算方法などの基礎知識を教えます!

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こんにちは、川上技建です🌳

北海道の苫小牧市で住宅の新築工事、リノベーション工事、リフォーム工事、アパートなどの設計・施工を手がけています。


注文住宅を検討するにあたって、インターネットや住宅情報誌で情報収集を行っている方もいらっしゃることでしょう。そんな中、聞きなれない住宅の専門用語に戸惑うことがあるかもしれません。たとえば、「建ぺい率」「容積率」の2つは、注文住宅を建てるうえで重要な基礎知識です。


今回は、創業35年以上の実績を誇る川上技建が、建ぺい率と容積率について、以下のポイントをわかりやすく解説します。



注文住宅を検討している方や不明点がある方は、ぜひ川上技建にお問い合わせください。



▼目次


建ぺい率とは何?意味や計算方法

 建ぺい率の概要と計算方法

 建ぺい率が上乗せできる緩和要件とは

容積率とは何?意味や計算方法

 容積率の概要と計算方法

 容積率が緩和される要件とは

建ぺい率と容積率の事例と用途地域

 第一種低層住居専用地域

 第二種低層住居専用地域

 第一種中高層住居専用地域

 第二種中高層住居専用地域

 第一種住居地域

 第二種住居地域

 準住居地域

 近隣商業地域

 商業地域

 準工業地域

 工業地域

 工業専用地域

まとめ




建ぺい率とは何?意味や計算方法


注文住宅は建売住宅よりも設計の自由度が高いメリットがあります。しかし、注文住宅を建てる際、建物の大きさを自由に決められるわけではありません。

建物の大きさは街の景観や周辺環境にも影響を与えるため、法律で規制が設けられています。

規制に関係する建築用語が建ぺい率と容積率です。ここでは、建ぺい率の意味や計算方法を解説します。



建ぺい率の概要と計算方法


建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。ここでいう敷地面積とは、注文住宅を建てる土地を指します。また、建築面積は建物を真上から見た時の面積です。

2階建て以上の場合は、もっとも広い面積が適用されます。


建ぺい率の計算式は以下のとおりです。

建ぺい率(%)=(建築面積÷敷地面積)×100


たとえば、敷地面積が100㎡の土地に建築面積50㎡の注文住宅を建てた場合、建ぺい率は50%です。


建ぺい率の範囲は建築基準法で決まっています。苫小牧市の場合、住宅地の建ぺい率60%に設定されているところが多いですが、市町村によって異なります。建ぺい率によって建てられる注文住宅の大きさが違うため、具体的な数値は自治体のホームページなどで確認してください。


たとえば、土地が100㎡として、建ぺい率が70%なら建築面積は70㎡まで許容されますが、建ぺい率が50%なら50㎡までしか許容されません。


参考:その他地域地区/札幌市



建ぺい率が上乗せできる緩和要件とは


北海道を含めた全国を対象に、建ぺい率に上乗せできる緩和要件があります。


  • 建ぺい率80%の地域、防火地域内の耐火建築物を除く
  • 防火地域の耐火建築物もしくは角地に該当


上記に該当すれば、通常の建ぺい率に10%加算が可能です。防火地域の耐火建築物かつ角地の場合は、20%加算できます。


耐火建築物や角地の基準は、都道府県や自治体によって異なるため、要件に該当するかは担当窓口で確認してください。


たとえば、北海道苫小牧市での角地の定義は、以下のとおりです。


①2つの道路からできた角敷地で、要件のすべてを満たすもの

・おのおのの幅員が6m以上、その和が18m以上

・内角が135度以下

・敷地周囲の3分の1以上がそれらの道路に接する


②2つの道路に挟まれた敷地で、要件のすべてを満たすもの

・おのおのの幅員が6m以上、その和が18m以上

・敷地周囲の3分の1以上がそれらの道路に接する

・敷地周囲の8分の1以上がおのおのの道路に接する


③幅員が6m以上の道路と公園、広場、河川などに接する敷地で、公園、広場、河川などを道路に準ずるものとして①または②の要件を満たすもの


出典:国土交通省|建築基準法制度概要集 苫小牧市建築基準法施行細則




容積率とは何?意味や計算方法


建ぺい率と同様、快適な街づくりに必要な規制が容積率です。ここでは、容積率の意味や計算方法を解説します。



容積率の概要と計算方法


容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合です。

延床面積は、各階の床面積の合計を指します。容積率が高いほど階数の多い注文住宅が建てられるため、2階建てや3階建ての家を建てる際は重要です。


計算式は以下のとおりです。

容積率(%)=(延床面積÷敷地面積)×100


容積率は個人で自由に決められるわけではなく、建ぺい率同様に建築基準法で定められています。

たとえば、容積率が100%に定められた地区で、100㎡の土地に注文住宅を建てる場合、延床面積は100㎡です。容積率が90%なら、同じ100㎡の土地でも、延床面積は90㎡です。

容積率上限が低いと、高さのある建物が建てられません。


そのため、注文住宅を建てるエリアを選ぶときは、容積率も考慮して選ぶ必要があります。



容積率が緩和される要件とは


容積率にも、緩和要件が設けられています。

玄関・バルコニー・ベランダ・ロフト・地下室・ビルトインガレージなどは、容積率に含まれません。そのため、これらの設備を導入する場合は、実質的に容積率が緩和されます。


また、指定区域では容積率が緩和されるケースもあり、この地域を特例容積率適用地区と呼びます。

北海道での特例容積率適用地区の定義は、「適正な配置および規模の公共施設を備えた土地の区域において、指定容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区」です。


出典:北海道|北海道の都市計画


たとえば、函館市では一部の区域で要件を満たした住宅に限り、容積率が緩和されます。

容積率緩和が適用される要件は以下のとおりです。


  • 建築物の全部もしくは一部が住宅の用途に使用される
  • 建築物の敷地内に一定面積以上の空地があり、かつその2分の1以上は道路に接している
  • 建築物の敷地面積が1,000㎡以上


緩和後の容積率は、以下の計算式で求められます。


容積率(%)=3Vc÷(3-R)


Vcは、都市計画で定められた容積率です。Rは、建築物全体の延べ面積に占める、住宅用途部分の床面積の割合を指します。


参考:住宅系建築物の容積率緩和制度を適用できる区域について | 函館市


ただし、札幌市のように緩和対象となる区域がない自治体もあるので注意が必要です。


参考:建築基準法第52条第8項の規定による指定区域について/札幌市




建ぺい率と容積率の事例と用途地域


札幌市を例に、建ぺい率と容積率の地域別の制限割合を比較します。

出典:苫小牧市都市計画審議会


それぞれの地区は、都市の主機能に応じて分けられています。低層住居専用地域では、建ぺい率・容積率ともに低い数値ですが、商業地域は他の地区に比べて数値が高めです。


用途地域について、それぞれ解説します。



第一種低層住居専用地域


低層住宅かつ良好な環境が守られた地域で、小規模な店舗や事務所兼住宅が建てられます。



第二種低層住居専用地域


低層住宅かつ良好な環境が守られた地域で、小中学校や150㎡までの店舗が建てられます。



第一種中高層住居専用地域


中高層住宅かつ良好な環境が守られた地域で、病院や大学、500㎡までの店舗が建てられます。



第二種中高層住居専用地域


中高層住宅かつ良好な環境が守られた地域で、病院や大学、1,500㎡までの店舗が建てられます。



第一種住居地域


住居の環境が守られた地域で、3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどが建てられます。



第二種住居地域


住居の環境が守られた地域で、10,000㎡までの店舗、事務所、カラオケボックスなどが建てられます。



準住居地域


自動車関連施設の立地と住環境が守られた地域で、10,000㎡までの店舗などが建てられます。



近隣商業地域


近隣住民が買い物をする店舗などの利便性推進を図る地域で、小規模な工場などが建てられます。



商業地域


商業の利便性推進を図る地域で、銀行や映画館、飲食店などが建てられます。



準工業地域


主に軽工業の業務の利便性推進を図る地域で、危険性が高い・環境悪化につながる工場などは建てられません。



工業地域


工業の業務の利便性推進を図る地域で、どのような工場でも建てられます。ただし、学校・病院・ホテル・10,000㎡以上の建物は建てられません。



工業専用地域


工業の業務の利便性推進を図る地域で、どのような工場でも建てられます。ただし、住宅・店舗・学校・病院・ホテルは建てられません。


各地区の名称や用途は、自治体によって異なる場合があります。正確な内容は、「まちづくり課」など、対応窓口で確認してください。




まとめ


建ぺい率と容積率は、注文住宅を建てるうえで理解しておきたい建築用語です。

地域の建ぺい率と容積率の計算方法を知っておけば、建てたい家に合ったエリアが選択できます。


自分が建てたい家の面積をイメージできない場合や、気に入った土地があるけどイメージどおりに建てられるか不安な方はお気軽にご相談ください。


川上技建は創業から30年以上、北海道苫小牧市を拠点に活動しています。ご相談から設計・施工まで自社による一貫対応を強みとしています。


伝統工法や最新技術も取り入れながらご要望に合わせたご提案が可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。