こんにちは、川上技建です🌳
北海道の苫小牧市で住宅の新築工事、リノベーション工事、リフォーム工事、アパートなどの設計・施工を手がけています。
注文住宅を計画する際、将来の光熱費や環境への配慮を見据えて、太陽光発電の導入を検討するケースもあります。しかし、費用対効果や設置タイミング、地域の気象条件など、判断に迷うポイントが多いのも事実です。
そこで今回は、創業35年以上の実績を誇る川上技建が、太陽光発電と注文住宅の相性や、導入を考えるうえで知っておきたいポイントを以下の内容に沿ってわかりやすく解説します。
- 太陽光発電の仕組み・費用・設置タイミングの基本知識
- 苫小牧市における太陽光発電の適性とメリット・デメリット
- 導入時に注意したいポイントと「やめておけ」と言われる理由
- 補助金・住宅ローン控除などの支援制度の活用方法
「設置するべきかどうか」「どのタイミングが最適か」とお悩みの方にも、判断材料としてご活用いただける内容です。ぜひ最後までご覧いただき、太陽光発電の導入をご検討の際は、川上技建までお気軽にお問い合わせください。
▼目次
太陽光発電を注文住宅に設置する際は補助金・住宅ローン控除を活用しよう
太陽光発電とは?仕組みと運用の基本
太陽光発電とは、太陽の光をエネルギーに変えて電気をつくるシステムです。
主に住宅の屋根に設置された太陽光パネル(太陽電池モジュール)が、光を受けて発電します。
発電した電気は、まず家庭内の照明やエアコン、冷蔵庫などの家電に使用され、余った電力は、電力会社に売ることで収入を得ることも可能です。
一方で、発電できない夜間や曇り・雨の日などには、これまでどおり電力会社から電気を購入して補います。
太陽光発電は、太陽光パネルだけで成り立っているわけではありません。
パネルで発電された直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する「パワーコンディショナー」や、複数のパネルを接続する「接続箱」、発電量や消費電力を可視化する「電力量モニター」など、複数の機器で構成されています。
さらに近年では、蓄電池との併用が注目されています。
昼間に発電して使いきれなかった電気を蓄電池にためておけば、夜間や停電時にも活用可能です。自宅で発電・蓄電・使用を一貫して行えば、電力会社からの購入量を減らし、自家消費率を高める効果も期待できます。
災害時の非常用電源としても心強く、防災対策の一環として蓄電池を導入する家庭もあります。
注文住宅に太陽光発電を導入する費用と相場
注文住宅に太陽光発電を導入する際、まず気になるのが設置費用です。2024年時点では、1kWあたりの平均設置費用は約28.6万円とされています。「1kW」とは、太陽光パネルの発電能力を示す単位であり、おおよそ3〜4枚分のパネルに相当します。つまり、どれだけの電気をつくれるか=何枚パネルを載せられるか、というイメージです。
一般的な家庭では、3〜5kWの太陽光発電システムを採用するケースが多く、設置費用の総額としては約100〜150万円が目安になります。例えば5kWのシステムを導入する場合は、15〜20枚程度のパネルを設置し、総額で140〜150万円前後の費用がかかるのが一般的です。
なお、実際の費用は地域や日照条件、屋根の広さや形状、選ぶパネルのメーカーや性能によっても大きく異なります。屋根に傾斜があるかどうか、架台が必要かどうかといった工事の条件も、価格に影響を与えるポイントです。
太陽光発電の導入を検討する際には、複数の業者から見積もりを取り、仕様や価格を比較しましょう。費用だけでなく、保証内容や施工実績、アフターサービスの手厚さも含めて確認しておくと安心です。
初期費用は回収できる?太陽光発電の費用対効果とは
太陽光発電の導入を検討する際、多くの方が気になるのが「初期費用を回収できるのかどうか」という点です。回収可能性を判断する指標として、「費用対効果」という考え方があります。
太陽光発電における費用対効果とは、電気代の削減効果と売電による収入を合わせて、初期費用をどれくらいの期間で回収できるかを示すものです。例えば、5kWのシステムを導入した場合、年間でおよそ5,000kWhの電力を発電できると想定されており、これは一般的な家庭の年間消費量に匹敵します。
発電した電気は、家庭内で使用することで電気代を節約でき、さらに使いきれずに余った電力を売電することで、追加の収入も得ることが可能です。
5kWシステムの場合、電気代の削減と売電収入をあわせて、年間でおよそ7万円前後のメリットが期待されます。
このような運用を続けた場合、初期費用をおおむね12〜15年で回収できますが、実際の回収期間は地域の日照条件や屋根の向き、家庭の電力使用パターン、自家消費率などによって異なります。
また、後述するZEH補助金などの支援制度を活用すれば、初期投資の一部が補助され、回収期間を数年単位で短縮できるでしょう。
苫小牧市は日照時間が長く太陽光発電と相性◎
苫小牧市は、北海道内でも太陽光発電に適した自然条件がそろっている地域です。日照時間の長さ、積雪の少なさ、年間を通じた温暖な気候などが組み合わさり、発電効率を高める理想的な環境を形成しています。
気象庁のデータによると、苫小牧市の年間平均日照時間は1,711.5時間。特に春は日照時間が長く、4月は平均173.5時間、5月は171.9時間と、発電効率の高い季節が続きます。
出典:気象庁「苫小牧(胆振地方) 平年値(年・月ごとの値)」
また、苫小牧市は北海道のなかでも積雪が非常に少ない地域に位置しています。年間の降雪深は約145cmで、札幌市のおよそ4分の1程度です。太陽光パネル表面の積雪による発電ロスが抑えられるというメリットがあります。
注文住宅に太陽光発電は「やめておけ」と言われる理由
太陽光発電は環境にやさしく、光熱費の削減にもつながる設備として注目されています。
その一方で、「やめておけ」といった否定的な声を見かけることがあるのも事実です。
そうした意見の背景には、過去に報道された売電価格の下落や、施工不良によるトラブルなどが挙げられます。
こうした情報が広まったことで、太陽光発電に対して不安を感じる方も少なくありません。
たしかに、太陽光発電には初期費用が高いという側面があります。
しかし現在では、ZEH支援事業などの補助金制度や、住宅ローン控除などを活用することで、導入時の金銭的負担を軽減できます。
また、「売電収入が昔より減った」といった声もありますが、太陽光発電の価値は売電だけにとどまりません。
日中に発電した電気を自宅で使う「自家消費を中心とした設計と運用を行えば、売電に依存せず、確実に電気代を削減できます。
加えて、長く使い続けるなかではメンテナンス費用も必要になります。
例えば、4年ごとの定期点検(1回あたり約2万円)や、15年前後で必要になるパワーコンディショナーの交換(約20万円)が代表例です。
ただし、こうした費用はあらかじめ把握しておけば、計画的に備えておけます。
太陽光発電に関する「やめておけ」という声には根拠がある一方で、制度の活用や適切な設計・運用によって対策できることも多くあります。
不安な点を事前に理解し、対策を講じたうえで導入すれば、経済的メリットと生活の安心感を両立できる投資といえるでしょう。
太陽光発電を新築時に設置するメリット・後付けとの違い
太陽光発電は、住宅の完成後に後から設置することもできますが、費用や施工の効率性、発電性能といった観点からは、新築時に導入するほうがより合理的といえます。
新築時に太陽光発電を設置する最大のメリットは、設計段階から屋根の形状や方角、耐荷重性、電気配線のルートまでを計画できることです。パネルを効率的に配置できるだけでなく、発電量を最大限に引き出せる設計が可能になります。
さらに、屋根と一体化させた美観重視の設計ができるのも、新築時ならではの魅力です。外観デザインや断熱性とのバランスを考えながら、自然に馴染むスタイルに仕上げられます。
一方、後付けで太陽光発電を設置する場合は、すでに完成した構造に手を加える必要があるため、追加の手間と費用がかかります。例えば、足場の再設置費用や屋根材の加工、屋根補強工事、配線の追加工事などが発生します。
また、既築住宅では既存の屋根構造により、パネルの設置位置が制限されることもあり、理想的な発電効率が得られない可能性もあるので注意が必要です。
将来的なメンテナンスのしやすさや、太陽光発電を含めた住宅全体の性能バランスを考えると、新築時の導入はトータルで見てコストパフォーマンスに優れている選択肢といえるでしょう。
太陽光発電を注文住宅に設置するメリット
太陽光発電を注文住宅に取り入れることで、日々の暮らしや将来の家計、さらには環境への配慮といったさまざまな面で恩恵が得られます。
ここでは、太陽光発電を設置することで期待できる3つの代表的なメリットについてご紹介します。
太陽光発電の経済面のメリット
太陽光発電を導入することで、自宅で電気をまかなう自家発電が可能となり、電力会社からの購入電力を削減できます。
その結果、日々の光熱費を抑えられる点は、大きな経済的メリットといえるでしょう。
また、使いきれなかった電力は売電できるため、5kWのシステムであれば年間7万円前後の売電収入が見込まれます(発電量や自家消費率によって変動あり)。
さらに、省エネ性能の高い住宅は住宅性能評価において高く評価される傾向があり、将来的な資産価値の維持や向上につながる可能性もあります。
太陽光発電の生活面のメリット
太陽光発電には、日常生活に役立つメリットもあります。例えば、災害や停電時には「自立運転機能」によって、最低限の電力を確保することが可能です。
また、太陽光パネルは屋根に直接設置されるため、夏は直射日光を遮り室温の上昇を抑え、冬は放熱を抑える効果もあります。冷暖房効率が向上し、快適な住環境の維持にも貢献します。
太陽光発電の環境面のメリット
太陽光発電は、CO₂を排出しないクリーンな再生可能エネルギーです。
化石燃料に依存しない生活が実現できるほか、家庭単位での地球温暖化対策にも貢献します。さらに、自宅でつくった電力を自宅で使う「エネルギーの地産地消」を促進することで、地域全体の電力負荷の軽減にもつながる点が特徴です。
太陽光発電を注文住宅に設置するデメリット
太陽光発電は多くのメリットがある一方で、設置や運用にあたって注意しておきたいポイントもあります。ここでは、注文住宅に太陽光発電を導入する際に知っておきたい代表的なデメリットとその対策を、次の2つの観点から解説します。
事前にリスクや注意点を把握しておくことで、導入後の後悔を防ぎ、安心して長く活用できる住まいづくりにつながります。
太陽光発電の費用面のデメリットと対策
太陽光発電システムの導入には、比較的高額な初期費用がかかるのが一般的です。
しかし現在では、「ZEH支援事業」や各自治体による補助金制度を活用することで、数十万円単位の費用軽減が期待できます。
また、設置後もメンテナンスにかかわる費用が発生します。例えば、1年目とその後4年ごとに実施する定期点検や、15年程度で必要になるパワーコンディショナーの交換(およそ20万円)などが代表的です。
こうした支出は、突発的な負担に感じられるかもしれませんが、事前に長期的な収支計画に組み込んでおくことで、慌てることなく対応できます。導入前の段階で、将来を見据えた資金計画を立てておきましょう。
太陽光発電の技術面のデメリットと対策
太陽光発電の発電量は天候に左右されやすいという特性があります。特に曇天や降雪が多い地域では、安定した発電が難しい時期もあることに注意が必要です。
地域の気象データをもとに発電シミュレーションを実施し、必要な容量を見極めましょう。家庭の事情に合わせた最適なシステム設計によって、安定した電力利用につなげられます。
また、太陽光パネルは屋根に一定の重量負荷をかけるため、耐久性への配慮も欠かせません。新築時であれば、屋根構造の設計段階から耐荷重を考慮できます。
太陽光発電を注文住宅に設置する際は補助金・住宅ローン控除を活用しよう
太陽光発電を注文住宅に導入する際は、国や自治体の補助金制度を上手に活用すると初期費用の大幅に軽減できます。
代表的な国の支援制度には、次のようなものがあります。
- ZEH支援事業:55万円/戸
- ZEH+:100万円/戸
- ZEH+ハイグレード仕様:110万円または最大125万円/戸
補助金を受けるためには、住宅が一定の性能要件を満たしていることが条件です。
例えば、「高断熱性能の確保」「高効率な住宅設備の導入」「太陽光発電によるエネルギー創出」などが求められます。
さらに、太陽光発電と蓄電池を併用する場合には、蓄電池の容量に応じて加算される補助金制度も利用でき、容量1kWhあたり2万円(上限20万円)の補助金が支給されます。
補助金の申請方法は、先着順や公募方式など制度によって異なり、申請受付の時期や予算枠にも限りがあるため早めに設計事務所や建築会社と連携し、設計初期の段階から申請スケジュールを調整しましょう。
加えて、各自治体でも独自の補助制度を設けているケースがあり、地域によっては合計で100万円以上の支援が受けられることもあります。
住宅ローン控除制度においても、断熱性や省エネ性能が一定基準を満たされた住宅(=ZEH水準相当)には、借入限度額の上乗せや控除期間の延長といった優遇措置が適用されます。
補助金や控除制度を上手に組み合わせると、太陽光発電の導入にかかるコストを大きく下げられるため、ぜひ以下の記事も参考にご覧ください。
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まとめ
太陽光発電は、光熱費の削減や環境への配慮といった多くのメリットを持つ一方で、設置コストや気象条件など、検討すべき要素もあります。
特に苫小牧市のように、日照時間が長く、積雪が少なく、気温が安定している地域では、太陽光発電のポテンシャルを最大限に活かせます。
注文住宅を建てるタイミングで太陽光発電を導入すれば、設計や施工の自由度も高まり、効率的かつコストを抑えたシステム構築が可能です。補助金や住宅ローン控除といった支援制度も活用しながら、将来を見据えたエネルギー設計を検討するのはいかがでしょうか。
信頼できる注文住宅のご相談なら川上技建へ!
「注文住宅の相談ってどうしたらいいの…?」
「ちょっとした質問でも大丈夫なの…?」
そのような不安をお持ちの方はぜひ川上技建にお問い合わせください。
川上技建は創業から30年以上、北海道苫小牧市を拠点に活動しています。ご相談から設計・施工まで自社による一貫対応を強みとしています。
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